スワイプファイルで売れるレター作成

from 麻生　歩叶

セールスコピーライターが成功するために欠かせないスワイプファイルは、過去に成功したセールスレターやコピーを収集・分析し、自身のマーケティング戦略に活かすための宝庫です。

スワイプファイルを最大限に活用するためには、効果的な整理法が不可欠です。まず、類似の広告やコピーをテーマや要素ごとにグループ化し、後で必要な情報を素早く見つけられるようにしましょう1。整理方法としては、主に「実物管理」と「データ管理」の2種類があります。実物管理では紙媒体を印刷してファイリングする方法で、手に取れる利点がありますが、管理が煩雑になりやすいというデメリットがあります。

データ管理ではEvernoteなどのアプリを活用し、強力な検索機能と管理機能を駆使することで、1,000以上のスワイプファイルでも思い通りに取り出すことが可能になります。また、すべてのスワイプファイルをPDF化して持ち運びやすくしたり、商品認知度に応じて1〜5の番号をつけて管理したりするなどの工夫も効果的です。整理する際は、重要なポイントや成功要因をメモし、なぜその広告が効果的だったのかをアノテーションすることで、学びを深めることができます

成功したセールスレターを分析する際は、AIツールを活用すると効率的です。ChatGPTなどの文章生成AIを使用して、セールスレターの構成要素を体系的に抽出できます。

分析対象は自社の成功事例か、競合他社の優れたセールスレターを選びましょう。特に長期間広告が掲載されているものは売れている証拠なので、研究価値があります。

分析手順としては、まず「このセールスレターの構成要素を箇条書きでリストアップしてください」というプロンプトでAIに全体構造を把握させます。次に数値データを活用した検証が重要です。

CVRなどの指標を測定し、A/Bテストを実施して効果の高い要素を特定します。

分析結果はマークダウン形式でテンプレート化しておくと再利用しやすく、PDCAサイクルを継続的に回すことで、セールスレターの反応率を段階的に向上させることができます。

スワイプファイルを効果的に活用するには、セールスファネルの段階に合わせた選択が重要です。フロントエンド（初回購入）のレターを作成する際は、PASONAの法則が最適で、通販系や健康食品系の商品と相性が抜群です。

このテンプレートは「商品を売られる気のない人」や「もともと売る側と関係性のない人」に効果的です。一方、バックエンドのレターには別のスワイプファイルを選ぶべきで、フロントのレターを書くのにバックエンドのスワイプを使うと違和感が生じてしまいます。

スワイプファイルを活用する際は、複数のレターから部分的に借用するのではなく、1枚のスワイプレターから「アイデア」「構成（オファー）」「言い回し」を一貫して拝借することで最大限の効果を得られます。

また、ターゲットの商品認知度（レベル1〜5）を把握し、それに合ったスワイプファイルを選ぶという3ステップ（①認知度把握→②適切なスワイプ選択→③実際に書く）を実践することで、コピーの質と作業スピードが飛躍的に向上します。

これらのポイントを押さえることで、セールスレターの効果を最大化できるでしょう。

スワイプファイルを活用する際には、いくつかの重要な注意点を守ることで、効果的かつ倫理的に使用することができます。以下に、セールスライターが気をつけるべき主な注意点をまとめました。

• 丸パクリは絶対NG - 丸パクリは犯罪行為と同等であり、モラル違反です。必ず自分なりにアレンジを加えましょう。

• 同業他社のコピーは使用しない - 特に同じ業界・同じ商品を扱う競合他社のセールスコピーの使用は倫理的に問題があります。

• スワイプ元のファイルをクライアントに提示する - セールスライターは裏方の仕事なので、パクリの責任はクライアントに及ぶ可能性があります。透明性を保つためにスワイプ元を共有しましょう。

• 外国由来のものは注意して使用する - 文化的背景や表現方法が異なるため、そのまま日本市場に適用できない場合があります。

• スワイプファイルの「背景情報」を理解する - 単に言葉を入れ替えるだけでは効果がありません。なぜそのコピーが効果的だったのかという背景を理解することが重要です。

• 慣れるまでは1つのレターだけをスワイプする - 複数のスワイプファイルを組み合わせると「つぎはぎ」感が出てしまうため、初心者は1つのレターの骨格に忠実に従いましょう。

• セールスファネルの同じ位置にあるレターを参考にする - フロントエンドのレターを書く時はフロントエンドのスワイプファイルを、バックエンドならバックエンドのものを使いましょう。